2026年3月24日

3月から急増する紫外線|春に始める本気のUV対策
駒沢自由通り皮膚科 医療コラム
春になると気温が上がり、外出する機会も増えてきます。
しかしこの時期、皮膚科医としてぜひ知っておいていただきたいのが紫外線の急激な増加です。
実は紫外線は、真夏よりも春から対策を始めることがとても重要です。
「まだ日差しが弱いから大丈夫」と思っていると、知らないうちにシミや肌老化の原因を積み重ねてしまいます。
今回は、春の紫外線の特徴と本気のUV対策について、皮膚科医の視点からわかりやすく解説します。
春の紫外線はなぜ危険なのか
多くの方が紫外線対策を意識するのは夏ですが、実際には3月頃から紫外線量は急激に増え始めます。
特に注意したいのは以下の点です。
- 冬の乾燥で肌のバリア機能が低下している
- 花粉などの刺激で肌が敏感になっている
- 紫外線量が短期間で急増する
このような状態のため、春の肌は紫外線の影響を受けやすい状態になっています。
その結果、
- シミ
- くすみ
- 乾燥
- 肌荒れ
といったトラブルが起こりやすくなります。
紫外線量カレンダー(3月〜9月)
紫外線は真夏だけ強いと思われがちですが、実際には春から急激に増加します。
特に注意が必要なのは3月〜5月です。
月ごとの紫外線量の目安は次のようになります。
| 月 | 紫外線量の目安 | 特徴 |
| 3月 | 急増し始める | 紫外線対策を始める重要な時期 |
| 4月 | 夏に近い強さ | シミの原因になりやすい |
| 5月 | 非常に強い | 真夏とほぼ同レベル |
| 6月 | 強い | 曇りでも紫外線量は多い |
| 7月 | 最も強い | 日焼け・炎症に注意 |
| 8月 | 非常に強い | レジャーで紫外線を浴びやすい |
| 9月 | まだ強い | 油断しやすい時期 |
このように、紫外線は春から夏にかけて長期間強い状態が続きます。
そのため
- 春から日焼け止めを使う
- 帽子や日傘を取り入れる
といった習慣を早めに始めることが大切です。

紫外線には3種類ある(UV-A・UV-B)
紫外線には主に3種類あります。
UV-A
肌の奥(真皮)まで届く紫外線です。
シワ・たるみ・シミの原因になります。
UV-B
皮膚の表面に強く作用し、日焼けや炎症を起こします。
UV-C
オゾン層に吸収されるため、通常は地表には届きません。
春に特に注意が必要なのはUV-Aです。
UV-Aは春からすでに強く、気づかないうちに肌の奥へダメージを与えます。この紫外線は曇りの日でも多く降り注ぐという特徴があります。
やってはいけない紫外線対策5選
紫外線対策をしているつもりでも、実は効果が十分でないケースは少なくありません。
診察室でもよく見られる「間違った紫外線対策」をご紹介します。
① 朝だけ日焼け止めを塗る
日焼け止めは
- 汗
- 皮脂
- 摩擦
などによって時間とともに落ちてしまいます。
朝塗っただけでは、午後には効果が弱くなっていることもあります。2〜3時間ごとの塗り直しを意識するとより効果的です。
② 塗る量が少ない
多くの方が、実際には必要量の半分以下しか塗れていないと言われています。
顔に必要な日焼け止めの量は500円玉大程度が目安です。
これを顔全体に均一に塗ることが重要です。
さらに
- 汗
- 皮脂
- 摩擦
によって日焼け止めは落ちてしまうため、
👉 2〜3時間ごとの塗り直しが必要です。
③ 夏だけ紫外線対策をする
紫外線は3月頃から急増します。
特にシミの原因となるUV-Aは春から強いため、紫外線対策は春から始めることが重要です。
④ 曇りの日は何もしない
曇りの日でも、紫外線は60〜80%程度地表に届いています。
目安としては
- 晴れの日:100%
- 曇りの日:60〜80%
- 雨の日:30%前後
と言われています。
天気に関係なく、
- 日焼け止め
- 帽子
などの対策を習慣にすると安心です。
⑤ 日焼け止めだけに頼る
紫外線対策は、日焼け止めだけでなく
- 帽子
- 日傘
- サングラス
- 衣類
などを組み合わせることで、より効果が高くなります。
**「塗る対策」と「防ぐ対策」**を両方取り入れることが理想的です。
皮膚科医がすすめる春のUV対策
日焼け止めに加えて、以下のような対策を組み合わせることで紫外線ダメージを大きく減らすことができます。
① 日焼け止めを毎日使用する
SPF50以上、PA+++以上を目安にすると良いでしょう。
② 帽子をかぶる
つばの広い帽子は顔への紫外線を大きく減らします。
③ 日傘を使う
特に女性では非常に効果的な紫外線対策です。
④ サングラス
紫外線は目から入ることでも体に影響を与えると言われています。
⑤ ビタミンC
抗酸化作用があり、紫外線によるダメージを軽減する効果が期待できます。
紫外線と皮膚がんの関係
紫外線は美容面だけでなく、皮膚がんのリスクとも関係しています。
紫外線が関与する皮膚腫瘍には
- 基底細胞癌
- 有棘細胞癌
- 悪性黒色腫(メラノーマ)
などがあります。もちろん過度に心配する必要はありませんが、日常的な紫外線対策は皮膚の健康を守る上でも重要です。
皮膚科でできるシミ予防
すでにシミが気になる方や、よりしっかり予防したい方には、皮膚科での治療も選択肢になります。
代表的なものとして
- ハイドロキノン
- トレチノイン
- ビタミンC外用・内服
- ケミカルピーリング
- レーザー治療
などがあります。
皮膚科医が答える紫外線対策Q&A
紫外線対策について、診察室でもよく質問される内容をまとめました。
日焼け止めはSPFが高いほど良いのでしょうか?
SPFは主にUV-B(赤くなる日焼け)を防ぐ強さを示す指標です。
日常生活であれば
- SPF30〜50
- PA+++以上
を目安にすると十分な場合が多いでしょう。ただし、SPFが高いほど肌への負担を感じる方もいるため、肌質に合った日焼け止めを選ぶことが大切です。
日焼け止めは毎日塗ったほうがいいですか?
はい、季節に関係なく毎日使用することをおすすめします。
紫外線は
- 曇りの日
- 室内
- 車の中
にも届いています。
特にシミの原因となるUV-Aは窓ガラスを通過するため、日常生活でも紫外線対策をしておくと安心です。
室内にいる日も日焼け止めは必要?
長時間窓の近くで過ごす場合は、室内でも紫外線の影響を受ける可能性があります。
在宅勤務や自宅で過ごす時間が長い方でも、
- 朝のスキンケアの最後に日焼け止めを塗る
という習慣をつけておくと、将来的なシミ予防につながります。
子どもも紫外線対策は必要?
子どもの皮膚は大人よりも薄く、紫外線の影響を受けやすいと言われています。
外遊びが多い場合は
- 子ども用の日焼け止め
- 帽子
- 日陰での休憩
などを取り入れると安心です。
飲む日焼け止めは効果がありますか?
いわゆる「飲む日焼け止め」は、紫外線そのものを完全に防ぐものではありません。
抗酸化作用によって紫外線によるダメージを軽減する補助的な役割と考えるとよいでしょう。
そのため、
- 日焼け止め
- 帽子
- 日傘
といった基本的な紫外線対策を行うことが最も重要です。これらを上手に取り入れることで、紫外線によるシミや肌老化のリスクを大きく減らすことができます。
シミを作らないために大切な3つの習慣
紫外線対策は特別なことではなく、日々の習慣の積み重ねが大切です。
特に意識したいポイントは次の3つです。
① 毎日日焼け止めを塗る
季節を問わず紫外線対策を行うことで、シミのリスクを減らすことができます。
② 紫外線を物理的に防ぐ
帽子・日傘・サングラスなどを活用することで、紫外線の影響を大きく減らせます。
③ 肌のバリア機能を保つ
保湿をしっかり行うことで、紫外線ダメージを受けにくい肌状態を保つことができます。
皮膚科医がすすめる日焼け止めの選び方
紫外線対策の基本は、やはり日焼け止めの使用です。
しかし、ドラッグストアなどには多くの種類の日焼け止めがあり、「どれを選べばよいのかわからない」という声を患者さんからよくお聞きします。
ここでは、皮膚科医の視点から日焼け止めを選ぶ際のポイントをご紹介します。
SPFとPAの違いを知っておきましょう
日焼け止めを選ぶときによく目にするのがSPF と PA です。
それぞれ防いでいる紫外線が異なります。
SPF(Sun Protection Factor)
主にUV-B(肌が赤くなる日焼け)を防ぐ指標です。
PA(Protection Grade of UVA)
UV-A(シミやしわの原因となる紫外線)を防ぐ指標です。
PAは
- PA+
- PA++
- PA+++
- PA++++
の4段階で表示されています。
日常生活ではSPF30以上・PA+++以上を目安に選ぶと良いでしょう。
日常生活とレジャーで使い分ける
紫外線対策は、生活シーンによって適した日焼け止めが異なります。
日常生活(通勤・買い物など)
- SPF20〜30
- PA+++
程度でも十分な場合が多いです。
屋外活動(スポーツ・レジャーなど)
- SPF50
- PA++++
など、より紫外線防御力の高いものが適しています。
また、汗をかく場面ではウォータープルーフタイプを選ぶとよいでしょう。
肌が敏感な方は低刺激タイプを
敏感肌の方や肌荒れしやすい方は、
- 紫外線吸収剤不使用(ノンケミカル)
- アルコールフリー
- 無香料
といった低刺激タイプの日焼け止めを選ぶと安心です。
肌に合わない日焼け止めを使用すると、かえって
- かゆみ
- 赤み
- かぶれ
などの原因になることがあります。
気になる場合は、腕の内側などでパッチテストをしてから使用するとよいでしょう。
使いやすいタイプを選ぶことも大切
日焼け止めにはさまざまなタイプがあります。
- クリームタイプ
- ジェルタイプ
- ミルクタイプ
- スプレータイプ
- パウダータイプ
大切なのは、毎日無理なく続けられることです。
塗り心地や使用感が良いものを選ぶと、紫外線対策を習慣化しやすくなります。
春からの紫外線対策が未来の肌を守る
紫外線ダメージは、すぐに目に見えるものばかりではありません。
長年の紫外線の積み重ねが
- シミ
- しわ
- たるみ
といった光老化の原因になります。
だからこそ、紫外線対策は「気づいたときに始める」のではなく「毎日の習慣にする」ことが大切です。
駒沢自由通り皮膚科では、肌の状態に合わせて治療を提案することができます。
気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。
駒沢自由通り皮膚科
院長 白石 英馨(監修)