【医師監修】石灰化上皮腫は粉瘤と何が違う?診断と治療法|駒沢自由通り皮膚科|世田谷区駒沢の皮膚科、小児皮膚科、美容皮膚科

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【医師監修】石灰化上皮腫は粉瘤と何が違う?診断と治療法

【医師監修】石灰化上皮腫は粉瘤と何が違う?診断と治療法|駒沢自由通り皮膚科|世田谷区駒沢の皮膚科、小児皮膚科、美容皮膚科

2025年11月27日

【医師監修】石灰化上皮腫は粉瘤と何が違う?診断と治療法

石灰化上皮腫とは?粉瘤と間違われやすい皮膚腫瘍

皮膚の下にコリコリとした硬いしこりを見つけたとき、多くの方は「粉瘤かな?」と思われるかもしれません。しかし、それは「石灰化上皮腫(せっかいかじょうひしゅ)」という別の皮膚腫瘍である可能性があります。

石灰化上皮腫は、皮膚の浅い層にできる良性の皮膚腫瘍で、毛包(毛の根元の構造)に由来するものです。内部に石灰(カルシウム成分)を含むことが特徴で、触ると硬く、コリコリとした感触があります。

粉瘤と石灰化上皮腫は見た目や触感が似ているため、一般の方だけでなく、時に医療機関でも誤診されることがあります。しかし、その性質や治療法には明確な違いがあるのです。

石灰化上皮腫と粉瘤の違い

石灰化上皮腫と粉瘤は、どちらも皮膚の下にしこりとして現れるため混同されやすいですが、いくつかの重要な違いがあります。

発症年齢と好発部位

石灰化上皮腫は若年層に多く見られる皮膚腫瘍です。20歳以下で60%、10歳以下で40%の発症率があり、若い方に多いとされています。また、女性は男性の1.5倍の発症率があることが確認されています。

好発部位としては、顔(特に頬やまぶた、額)に最も多く、次いで首、上肢に発生します。その他の部位にできることは比較的少ないのが特徴です。

一方、粉瘤は年齢や性別に関係なく体中どこにでもできる可能性があり、特に背中や肩、首などに多く見られます。

触感と外観の違い

石灰化上皮腫は触るとコリコリと硬く、しっかりとした塊のような触感があります。大きさは0.5cm~3cmくらいのものが多いです。皮膚の色は通常変わりませんが、皮膚が薄い部分では石灰化上皮腫の色が透けて黄色がかったり、青白く見えたりすることがあります。

粉瘤は石灰化上皮腫よりも柔らかく、弾力があることが多いです。また、粉瘤の大きな特徴として黒い開口部(小さな穴)があることが多く、そこから内容物(角質や皮脂)が排出されることもあります。

症状の違い

石灰化上皮腫はほとんどの場合、痛みやかゆみなどの自覚症状がありません。しかし、押すと痛みを感じることがあります。

粉瘤も通常は無症状ですが、炎症を起こすと赤く腫れて痛みを伴うことがあります。また、粉瘤が破裂すると特有のにおいのある内容物が出てくることがあります。石灰化上皮腫には開口部がなく、基本的に無臭です。

石灰化上皮腫の原因と特徴

石灰化上皮腫の明確な原因はまだ完全には解明されていませんが、毛包(毛の根元の構造)の異常が関係していると考えられています。そのため「毛母腫(もうぼしゅ)」とも呼ばれることがあります。

石灰化が起こる理由

石灰化上皮腫の名前の由来となっている「石灰化」は、腫瘍内の組織が変性し、カルシウムが沈着することで起こります。この石灰化によって、腫瘍は硬くなり、レントゲンやエコー検査で白く映ることがあります。これが診断の手がかりになることもあるのです。

粉瘤は皮膚の下にできた袋(嚢胞)の中に皮脂や角質などの垢がたまってできる嚢腫であるのに対し、石灰化上皮腫は毛包内の細胞が異常に増殖し、それが腫瘍化したものとされています。

石灰化上皮腫の特徴的な構造

石灰化上皮腫は、好塩基性の小型円形細胞と好酸性のshadow cell(陰影細胞)から構成される腫瘍です。この特徴的な細胞構成が、病理組織検査で確認されると確定診断となります。

粉瘤と異なり、石灰化上皮腫には嚢腫壁(袋状の壁)がありません。そのため、粉瘤でよく行われる「くりぬき法」という治療法は石灰化上皮腫には適していません。無理に小さな穴から摘出しようとすると、内容物がぼろぼろと崩れてしまうことがあります。

石灰化上皮腫の診断方法

石灰化上皮腫の診断は、まず視診と触診から始まります。しかし、粉瘤などの他の皮膚腫瘍と見た目が似ているため、より詳しい検査が必要になることがあります。

視診・触診による診断

腫瘤の硬さ、大きさ、位置、皮膚表面の状態などを確認します。石灰化上皮腫は特徴的なコリコリとした硬さがあり、皮膚科専門医であれば、この触感から石灰化上皮腫を疑うことができます。

また、ダーモスコピー(皮膚拡大鏡)を使用すると、石灰化の部分が白く透けて見えることがあり、これも診断の手がかりになります。

画像検査

エコー検査では、石灰化上皮腫はぼんやりとしたモザイク状の内部エコーを示し、後方は無エコー領域が広がるという特徴があります。また、石灰化を含むため、レントゲンやCT検査でも白く映ることがあります。

これらの画像検査は、石灰化上皮腫と粉瘤や脂肪腫などの他の皮膚腫瘍との鑑別に役立ちます。

確定診断のための病理検査

最終的な確定診断は、腫瘍を摘出して行う病理組織検査によって行われます。石灰化上皮腫の特徴的な細胞構成(好塩基性の小型円形細胞と好酸性のshadow cell)が確認されれば、石灰化上皮腫と診断されます。

この病理検査は、万が一悪性腫瘍の可能性がある場合にも重要です。石灰化上皮腫は良性腫瘍ですが、稀に悪性腫瘍と見分けにくいケースもあるため、摘出した組織は必ず病理検査に提出することが推奨されています。

石灰化上皮腫の治療法

石灰化上皮腫の治療は、基本的に外科的切除が選択されます。残念ながら、お薬を塗ったり飲んだりしても治ることはなく、自然に消えてしまうこともほとんどありません。

外科的切除の方法

石灰化上皮腫は、腫瘍の直上に切開を入れ一塊に摘出するのが一般的です。

腫瘍は崩れやすいので、崩さないように注意深く摘出することがポイントになります。

治療の流れと麻酔

治療は通常、局所麻酔で行われます。小学校高学年以上のお子さんであれば、局所麻酔での日帰り手術が可能です。ただし、小さなお子さんや大きな腫瘍の場合は、全身麻酔が必要になることもあります。

手術の流れとしては、まず局所麻酔を行い、腫瘍直上の皮膚を切開します。組織をかき分けながら腫瘍を同定し、周囲の結合組織を剥離しながら一塊に摘出します。

その後、電気メスで止血し創部を縫合して手術は終了です。手術時間は通常30分程度で、手術後の再発はまれです。

石灰化上皮腫と間違えやすい疾患

石灰化上皮腫は、粉瘤以外にもいくつかの皮膚腫瘍と間違えられることがあります。

脂肪腫との違い

脂肪腫は皮膚の下に脂肪の塊ができているもので、この脂肪の塊は「脂肪細胞」が増えてできたものです。脂肪腫は粉瘤と同じように身体中どこにでもできますが、背中や肩、首などにできることが多いです。

脂肪腫は40~50代にできることが多く、20歳以下にできることは少ないです。男性より女性に多い傾向があります。触れると柔らかいのが特徴で、石灰化上皮腫のような硬さはありません。

悪性腫瘍との鑑別

固く動かない腫瘍は悪性のものが多いですが、石灰化上皮腫は触ると皮下で動き、比較的区別しやすいです。しかし、可動性が悪いものや、破裂しているような場合は、臨床的には悪性腫瘍と見分けにくいこともあります。

そのため、石灰化上皮腫を含む皮膚腫瘍を摘出した場合は、必ず病理組織検査で確認することが重要です。

まとめ:石灰化上皮腫と粉瘤の違いを理解しましょう

石灰化上皮腫は、粉瘤と間違われやすい良性の皮膚腫瘍ですが、その性質や治療法には明確な違いがあります。

どちらの腫瘍も基本的には良性で、命に関わるような心配はありません。しかし、正確な診断と適切な治療のためには、皮膚科専門医による診察が重要です。

皮膚にコリコリとした硬いしこりを見つけた場合は、「ただのしこり」と思わず、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。当院では石灰化上皮腫を含む様々な皮膚腫瘍の診断・治療を行っておりますので、お気軽にご相談ください。

皮膚の健康と美容のことなら、駒沢大学駅から徒歩2分の駒沢自由通り皮膚科にお任せください。皮膚科専門医による丁寧な診察と、患者様に合わせた最適な治療をご提供いたします。

診察風景

監修:白石 英馨(しらいし ひでか)

駒沢自由通り皮膚科 院長・日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医

東京慈恵会医科大学医学部卒業後、同大学附属病院や関連病院にて皮膚科診療に従事。アトピー性皮膚炎やニキビといった一般皮膚疾患から、ホクロ・イボの外科的治療、美容皮膚科領域まで幅広く経験を積む。

2025年3月、世田谷・駒沢に「駒沢自由通り皮膚科」を開院。小さなお子さまからご高齢の方まで、地域に根ざした“かかりつけ皮膚科”として丁寧でわかりやすい診療を心がけている。

  • 所属学会:日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会 ほか
  • 専門分野:皮膚科一般、小児皮膚科、美容皮膚科、日帰り皮膚外科手術

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