粉瘤はなぜできる?原因と治療法を皮膚科医が解説|駒沢自由通り皮膚科|世田谷区駒沢の皮膚科、小児皮膚科、美容皮膚科

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粉瘤はなぜできる?原因と治療法を皮膚科医が解説

粉瘤はなぜできる?原因と治療法を皮膚科医が解説|駒沢自由通り皮膚科|世田谷区駒沢の皮膚科、小児皮膚科、美容皮膚科

2025年11月27日

粉瘤はなぜできる?原因と治療法を皮膚科医が解説

粉瘤とは?皮膚の下に潜む良性腫瘍の正体

皮膚にできる「しこり」の中でも特に多いのが粉瘤(ふんりゅう)です。医学的には「アテローム」や「表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)」とも呼ばれる良性の腫瘍で、皮膚の下に袋状の構造ができ、そこに垢や皮脂といった老廃物がたまったものです。

はじめは小さなしこりとして触れる程度ですが、時間とともに大きくなっていくのが特徴です。

粉瘤は全身どこにでもできる可能性がありますが、特に耳の後ろや顔、首、背中、股関節などにできやすい傾向があります。大きさは数ミリから数センチまで様々で、まれに野球ボールほどの大きさになることもあるのです。

ニキビと見間違えられることも多いのですが、粉瘤とニキビは全く異なる皮膚疾患です。

ニキビは毛穴に皮脂が詰まり、そこでアクネ菌などが増殖して炎症を起こす皮膚の病気です。一方、粉瘤は皮膚の下に袋状の構造物ができ、そこに垢(角質)や皮脂が溜まってしまう良性の腫瘍なのです。

粉瘤ができる原因とメカニズム

粉瘤ができる明確な原因はまだ完全には解明されていません。しかし、いくつかの要因が関わっていると考えられています。

毛穴の詰まりや外傷、ウイルス感染などにより発生する可能性があるのです。皮膚の内側に毛穴の袋ができ、その袋の中に本来であれば皮膚から剥がれ落ちるはずの垢や皮脂が溜まります。

「不潔にしていると粉瘤ができる」と思われがちですが、実はそうではありません。体質によるものが大きく、清潔にしていても粉瘤はできるのです。

粉瘤は一度できてしまうと、自然に治ることはありません。時間の経過とともに少しずつ大きくなっていくのが特徴です。

どうしてでしょうか?

それは、袋の中に溜まった垢や皮脂が外に排出されないためです。通常、私たちの皮膚は古い角質が自然に剥がれ落ちていきますが、粉瘤の場合は袋の中に閉じ込められてしまい、どんどん蓄積されていくのです。

粉瘤の特徴と見分け方

粉瘤には、いくつかの特徴的な症状があります。これらを知っておくことで、ニキビなど他の皮膚疾患と区別することができます。

まず、粉瘤は皮膚の浅い層にでき、ドーム状に盛り上がったできものとして現れます。中央に「中心臍窩」と呼ばれる黒色の毛穴が見られることもあります。

この黒い点は、毛穴の出口が詰まり、皮脂が酸化して黒く見えているのです。ただし、必ずしも黒い点が見られるわけではありません。

ニキビとの違い

ニキビと粉瘤は見た目が似ていることがありますが、いくつかの点で見分けることができます。

ニキビは炎症を起こして大きく腫れたとしても、直径数mm程度にとどまることがほとんどです。一方、粉瘤は時間とともに少しずつ大きくなり続けます。

また、ニキビを潰したときに出てくるのは主に白い皮脂で、基本的にほとんど臭いはありません。これに対して粉瘤の内容物は、垢と皮脂が混ざったドロドロとした粥状で、チーズや腐敗したような強い悪臭を放つのが特徴です。

触った感じも異なります。ニキビは炎症を起こして硬いしこりを感じますが、粉瘤はより弾力があり、はっきりとした塊として触れることが多いのです。

さらに、ニキビは比較的短期間で症状が変化し、自然治癒することもありますが、粉瘤は自然に治ることはなく、徐々に大きくなっていきます。

粉瘤が炎症を起こすとどうなる?

通常、粉瘤は痛みやかゆみなどの症状はほとんどありません。しかし、細菌感染などにより炎症を起こすことがあります。

炎症を起こした粉瘤は「感染性粉瘤」とも呼ばれ、赤く腫れて痛みを伴ったり、ブヨブヨと柔らかくなったりします。熱を持ち、化膿して強い痛みや腫れを生じることもあるのです。

このような状態になると、できるだけ早く膿を出す処置を行う必要があります。自己判断で粉瘤を圧迫したり、内容物を出そうとしたりすると、細菌感染を起こし症状が悪化することがあるため、注意が必要です。

炎症を起こした粉瘤の対処法

炎症を起こした粉瘤に対しては、まず炎症を改善する治療が優先されます。軽い炎症であれば、抗生剤の内服で数日間で炎症が治まることが多いです。

しかし、炎症が強い場合は、腫れた部分を切開して中の膿を出す「切開排膿」という処置が必要になります。その後、中にガーゼを入れて消毒する処置を繰り返し行います。

炎症が落ち着いた後、2〜4週間経過を見て、傷が塞がりしこりが小さくなれば、改めて手術で粉瘤を取り除くことができるようになります。

粉瘤の治療法

粉瘤の根本的な治療は、外科的手術によってできものを芯から取り除くことです。粉瘤の袋を完全に除去しない限り、再発する可能性があります。

手術には主に「くりぬき法」と「切開法」の2つの方法があります。どちらの方法も局所麻酔を行ってから実施するため、痛みはほとんどありません。

くりぬき法(へそ抜き法)

くりぬき法は、専用の器具を使って皮膚に小さな丸い穴を開け、その穴から袋と内容物を摘出する方法です。手術の傷跡が小さく目立ちにくいため、顔などの粉瘤に適しています。

手術時間は5〜20分程度と比較的短く、切開箇所や傷の状態によっては、縫合せずにそのまま傷がふさがるのを待つ場合もあります。

ただし、周りの皮膚と癒着がないこと、小さな穴から摘出できる程度の粉瘤サイズであることが条件です。大きな粉瘤や癒着を起こしている粉瘤の治療には適していません。

切開法

切開法は、粉瘤の大きさに合わせて表皮を切開し、粉瘤の壁に沿って袋ごと取り除く方法です。局所麻酔後に粉瘤の袋の外側から葉っぱ型に切除し、袋ごと摘出します。

止血後、傷を縫合して手術は完了です。くりぬき法に比べると傷跡は大きくなりますが、大きな粉瘤や周囲組織と癒着している粉瘤の場合はこの方法が選択されます。

再発率も低いのが特徴です。手術時間はくりぬき法よりもやや長くなりますが、それでも30分程度で終わることが多いです。

粉瘤の予防法はある?

粉瘤ができるはっきりとした原因がわかっていないため、現時点で効果的な予防法は確立されていません。体質によって粉瘤ができやすい人もいますが、自然治癒はしない腫瘍です。

それでも、肌の細胞が生まれ変わる仕組みである「ターンオーバー」の周期が乱れると、皮脂や角質が溜まりやすくなることは事実です。ターンオーバーを乱れさせる主な要因には、生活習慣の乱れや紫外線、乾燥、ホルモンバランスの乱れなどがあります。

これらの影響をできる限り取り除くことは、粉瘤の予防につながる可能性があるでしょう。具体的には、規則正しい生活習慣を心がけ、紫外線対策をしっかり行い、肌の保湿を怠らないことが大切です。

でも、それでも粉瘤ができてしまうことはあります。その場合は、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。

粉瘤を見つけたらどうすればいい?

粉瘤のようなできものに気づいたら、自己判断で触ったり潰そうとしたりせず、皮膚科を受診しましょう。早期に適切な診断と治療を受けることで、炎症を起こす前に対処できます。

粉瘤は炎症を起こしていなければ、すぐに切除できますが、炎症が起こっている場合は先に膿を出す処置をしてしばらく通院も必要になります。その点も踏まえ、粉瘤を早く治すためには、早めに受診することが重要です。

また、粉瘤の多くは良性の腫瘍ですが、長期に渡り炎症を繰り返したもの、急速に大きくなるものなどの中には、ごくまれに悪性化(がん化)したという報告もあります。心配な場合は、専門医に相談することをおすすめします。

まとめ:粉瘤は早期発見・早期治療が大切

粉瘤は皮膚の下に袋状の構造物ができ、そこに垢や皮脂が溜まってできる良性の腫瘍です。自然には治らず、時間とともに大きくなっていく特徴があります。

粉瘤の原因は完全には解明されていませんが、毛穴の詰まりや外傷、ウイルス感染などが関わっていると考えられています。不潔にしていると発生するわけではなく、体質によるものが大きいです。

粉瘤の治療は、外科的手術によって袋ごと取り除くことが基本です。「くりぬき法」と「切開法」の2つの方法があり、粉瘤の状態や大きさによって適した方法が選択されます。

粉瘤を見つけたら、自己判断で触ったり潰したりせず、早めに皮膚科を受診しましょう。炎症を起こす前に適切な治療を受けることで、治療期間も短く済み、傷跡も最小限に抑えることができます。

皮膚のできものでお悩みの方は、ぜひ専門医にご相談ください。駒沢自由通り皮膚科では、皮膚科専門医が丁寧に診察し、適切な治療をご提案いたします。

駒沢自由通り皮膚科では、粉瘤をはじめとする様々な皮膚疾患の診療を行っています。お気軽にご相談ください。

診察風景

監修:白石 英馨(しらいし ひでか)

駒沢自由通り皮膚科 院長・日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医

東京慈恵会医科大学医学部卒業後、同大学附属病院や関連病院にて皮膚科診療に従事。アトピー性皮膚炎やニキビといった一般皮膚疾患から、ホクロ・イボの外科的治療、美容皮膚科領域まで幅広く経験を積む。

2025年3月、世田谷・駒沢に「駒沢自由通り皮膚科」を開院。小さなお子さまからご高齢の方まで、地域に根ざした“かかりつけ皮膚科”として丁寧でわかりやすい診療を心がけている。

  • 所属学会:日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会 ほか
  • 専門分野:皮膚科一般、小児皮膚科、美容皮膚科、日帰り皮膚外科手術

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