2025年11月27日

「気になるホクロを取りたいけど、手術って怖いかな…」
顔や首のホクロが気になっている方は多いのではないでしょうか。見た目の印象を変えたい、メイクがしやすくなるよう除去したいなど、理由はさまざまです。
ホクロ除去の日帰り手術は、皮膚科で受けられる一般的な処置となっています。短時間で終わり、その日のうちに帰宅できるため、忙しい方でも無理なく受けられる治療法です。
しかし、「どんな方法があるの?」「痛みはどのくらい?」「費用はいくら?」など、疑問や不安をお持ちの方も多いでしょう。
私は皮膚科専門医として、これまで数多くのホクロ除去手術を行ってきました。この記事では、ホクロ除去の日帰り手術について、安全性や費用、治療方法などを詳しく解説します。
ホクロとは?種類と特徴を理解しよう
ホクロは医学的には「色素性母斑」や「母斑細胞母斑」と呼ばれる、皮膚の良性腫瘍です。
メラニンを作る細胞(母斑細胞)が集まってできるもので、形や色、大きさはさまざまです。平らなものもあれば、盛り上がっているものもあります。色は黒色、褐色、茶色などが一般的で、女性の場合は妊娠中などホルモンの影響で色が変化することもあります。
ホクロの主な種類には、以下のようなものがあります。
- Unna母斑:腕や首、太ももに発生しやすい、直径1cm程度の黒色~茶色の軟らかいホクロ。桑の実のように表面がでこぼこしています。(項部にできる単純性血管腫とは異なります。)
- Miescher母斑:主に顔面や頭、首に発生する隆起したホクロ。毛が生えていることもあります。
- Spitz母斑:若年者に多い黒色~赤色のホクロ。急に大きくなることがあり、悪性黒色腫との鑑別が必要です。
- Clark母斑:胴体や手足に多く、色は中央が濃く辺縁にむかって薄くなっていきます。
ホクロに似た疾患には、悪性腫瘍(がん)のものもあるため注意が必要です。
例えば、基底細胞がんは40歳以上、特に高齢者に多い皮膚がんで、初期は黒色をしているためホクロと間違われることがあります。また、悪性黒色腫(メラノーマ)はメラノサイトが皮膚がん化して生じる悪性度の強い腫瘍です。
どうですか?ホクロと一言でいっても、さまざまな種類があることがわかりましたね。

ホクロ除去の日帰り手術の種類と特徴
ホクロ除去の日帰り手術には、主に3つの方法があります。
ホクロの大きさや状態によって最適な治療法が異なるため、皮膚科専門医による診察が重要です。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
炭酸ガスレーザーによる除去
炭酸ガスレーザーは、極細のレーザーでホクロを細かく削っていく方法です。
主に小さなホクロ(5mm以下)で平らなものに適しています。周囲の組織へのダメージを最小限に抑えられるため、傷跡が残りにくく、ダウンタイムも比較的短いのが特徴です。
ただし、再発のリスクがあることや、深いホクロの場合は完全に除去できないこともあるため、複数回の治療が必要になることがあります。
電気メスによる除去
電気メスは熱を利用してホクロの表面を削る方法です。
小さなホクロ(5mm以下)で多少隆起しているものにも対応できます。他の治療法より安価な場合もあり、比較的短時間で処置が完了します。
しかし、完全に除去できないリスクがあるため、再発の可能性は炭酸ガスレーザーと同様にあります。
切開法による除去
切開法はメスを使ってホクロを切除する方法です。
大きなホクロ(6mm以上)や隆起が著しいものに適しています。ホクロを完全に除去できるため、再発のリスクが少ないのが最大のメリットです。
ただし、縫合が必要なため、線状の傷跡が残ることがあります。また、ダウンタイムも他の方法より長くなります。
患者さんの中には「傷跡が残るのは避けたい」という方もいらっしゃいますが、大きなホクロの場合は切開法が最も確実な方法であることをご理解いただくことが重要です。
ホクロ除去の日帰り手術の流れ
実際のホクロ除去の日帰り手術は、どのような流れで行われるのでしょうか。
ここでは、当院で行っているホクロ除去の一般的な流れをご紹介します。もちろん、クリニックによって多少の違いはありますが、基本的な流れは同じです。
初診時の診察と検査
まず初診時には、医師による診察を行います。
ダーモスコピーという特殊な拡大鏡を用いて、ホクロの状態を詳しく観察します。これにより、悪性の疑いがないかを確認します。
引っかかる、違和感が強い、悪性を疑う等の所見のあるホクロは保険適用内で除去が可能です。美容目的の場合は自費診療となります。
診察後、手術内容や同意書の説明を行い、後日の手術日をご予約いただきます。初回来院時に、当日すぐの手術は行っていないクリニックがほとんどです。
手術当日の流れ
手術当日は、まず局所麻酔を行います。
麻酔の注射は少し痛みを感じることがありますが、麻酔が効いた後は痛みを感じることなく手術を受けられます。麻酔後、選択した方法(レーザー、電気メス、切開法)でホクロを除去します。処置時間は、ホクロの大きさや数、方法によって異なりますが、1つのホクロであれば通常10~30分程度で終了します。
処置後は、傷口を保護するために軟膏を塗り、必要に応じて絆創膏やテープで保護します。切開法の場合は、約1週間後に抜糸が必要です。
いかがでしょうか?思ったより簡単な流れだと感じていただけたでしょうか。
ホクロ除去の費用と保険適用について
ホクロ除去の費用は、治療方法や施術を受けるクリニック、ホクロの大きさや数によって異なります。
一般的な費用の目安をご紹介します。
保険適用の条件
ホクロ除去は基本的に美容目的とみなされるため、自由診療(自費)となることがほとんどです。
しかし、以下のような場合は保険適用となる可能性があります。
- 直径が6mm以上で急激に大きくなるもの
- 色ムラがあるもの
- 形状が左右非対称で境界が不明確なもの
- ギザギザしているもの
- 引っかかりやすく日常生活に支障があるもの
- 悪性の疑いがあるもの
これらの特徴がある場合、悪性黒色腫(メラノーマ)などの皮膚がんの可能性もあるため、早めに皮膚科を受診することをお勧めします。
自費診療の場合の費用目安
美容目的でのホクロ除去の場合、一般的な費用の目安は以下の通りです。
- 炭酸ガスレーザー:1個 2,000円~11,000円程度(3mm以下)
- 電気メス:1個 2,000円~3,300円程度
- 切開法:1個 10,000円~30,000円程度(大きさにより異なる)
また、複数のホクロを同時に除去する「ホクロ取り放題プラン」を提供しているクリニックもあります。顔全体で20,000円~30,000円程度、5個セットで15,000円~25,000円程度が相場です。
麻酔代や処置後の薬代が別途かかる場合もありますので、事前に確認することをお勧めします。
費用面で不安がある方は、保険適用の可能性について医師に相談してみてください。

ホクロ除去後のケアと注意点
ホクロ除去後は、適切なケアを行うことで傷跡を最小限に抑え、トラブルを防ぐことができます。
ここでは、ホクロ除去後のケアと注意点について詳しく解説します。
術後のケア方法
ホクロ除去後のケアは、治療方法によって多少異なりますが、基本的なケア方法は以下の通りです。
- 清潔に保つ:処置当日は傷口を濡らさないようにしましょう。当日、もしくは翌日から医師の指示に従って軽く洗うことができます。
- 軟膏の塗布:医師から処方された軟膏を指示通りに塗りましょう。
- 保護:必要に応じて絆創膏やテープで保護します。
- 紫外線対策:傷跡が色素沈着しないよう、日焼け止めなどで紫外線対策をしっかり行いましょう。
切開法で抜糸が必要な場合は、指定された日に必ず来院しましょう。
入浴・洗顔・メイクについて
入浴、洗顔、メイクについては、医師の指示に従うことが重要です。一般的な目安は以下の通りです。
- 入浴:処置当日はシャワーのみとし、傷口を濡らさないようにします。翌日以降は医師の指示に従いますが、通常2~3日後から入浴可能です。
- 洗顔:処置当日は控え、翌日から傷口を避けて優しく洗顔できます。
- メイク:レーザーや電気メスの場合は3~5日後から、切開法の場合は抜糸後から可能になることが多いです。
「早く普段の生活に戻りたい」という気持ちはわかりますが、傷の治りを優先して、医師の指示を守りましょう。
注意すべき症状
ホクロ除去後に以下のような症状が現れた場合は、医師に相談してください。
- 強い痛みや腫れが続く
- 出血が止まらない
- 傷口から膿が出る
- 38度以上の発熱がある
これらの症状は感染の可能性があります。早めに対処することで、トラブルを最小限に抑えることができます。
ホクロ除去後のケアは、美しい仕上がりを得るためにとても重要です。医師の指示をしっかり守り、適切なケアを行いましょう。
まとめ:ホクロ除去の日帰り手術を検討する際のポイント
ホクロ除去の日帰り手術について、詳しく解説してきました。最後に、ホクロ除去を検討する際のポイントをまとめます。
まず、ホクロ除去の方法は大きく分けて「炭酸ガスレーザー」「電気メス」「切開法」の3種類があります。ホクロの大きさや状態によって最適な方法が異なるため、皮膚科専門医による診察が重要です。
費用は治療方法や施術を受けるクリニック、ホクロの大きさや数によって異なります。美容目的の場合は自費診療となりますが、悪性の疑いがある場合などは保険適用となる可能性があります。
ホクロ除去後は適切なケアを行うことで、傷跡を最小限に抑えることができます。医師の指示をしっかり守り、清潔に保ち、紫外線対策を行いましょう。
当院では、皮膚科専門医による丁寧な診察と、患者様一人ひとりに合わせた最適な治療をご提供しています。ホクロ除去をお考えの方は、まずはご相談ください。
ホクロのことでお悩みの方、ホクロ除去に興味をお持ちの方は、ぜひ駒沢自由通り皮膚科にご相談ください。皮膚科専門医が丁寧に診察し、最適な治療法をご提案いたします。
詳しい情報や予約は駒沢自由通り皮膚科の公式サイトをご覧ください。

監修:白石 英馨(しらいし ひでか)
駒沢自由通り皮膚科 院長・日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
東京慈恵会医科大学医学部卒業後、同大学附属病院や関連病院にて皮膚科診療に従事。アトピー性皮膚炎やニキビといった一般皮膚疾患から、ホクロ・イボの外科的治療、美容皮膚科領域まで幅広く経験を積む。
2025年3月、世田谷・駒沢に「駒沢自由通り皮膚科」を開院。小さなお子さまからご高齢の方まで、地域に根ざした“かかりつけ皮膚科”として丁寧でわかりやすい診療を心がけている。
- 所属学会:日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会 ほか
- 専門分野:皮膚科一般、小児皮膚科、美容皮膚科、日帰り皮膚外科手術