2026年2月19日

皮脂欠乏性湿疹(ひしけつぼうせいしっしん)とは?
― 乾燥によるかゆみ・湿疹でお悩みの方へ ―
「冬になると皮膚がかゆくなる」
「粉をふいたように白くなり、赤みや湿疹が出てきた」
このような症状で受診される方が、毎年多くいらっしゃいます。
それらの原因として非常に多いのが、皮脂欠乏性湿疹です。
今回は、皮脂欠乏性湿疹について原因・症状・治療・セルフケアを分かりやすく解説します。
皮脂欠乏性湿疹とは|乾燥が原因の湿疹
皮脂欠乏性湿疹の原因
皮脂欠乏性湿疹とは、皮膚の皮脂や水分が不足することで起こる湿疹です。
皮膚のバリア機能が低下すると、
- 外部刺激を受けやすくなる
- かゆみが出やすくなる
- 炎症(湿疹)が起こる
といった状態になります。
特に
- 秋〜冬の乾燥した時期
- エアコン使用
- 入浴・洗いすぎ
が引き金になることが多いです。

皮脂欠乏性湿疹が起こりやすい人
皮脂欠乏性湿疹は、以下の方に多くみられます。
- 高齢の方
- 乾燥肌の方
- アトピー素因のある方
- 毎日長時間入浴・シャワーを浴びる方
お子さんから高齢者まで、年齢を問わず起こる身近な皮膚疾患です。
皮脂欠乏性湿疹の症状
よくみられる症状
- 皮膚の乾燥
- 粉をふいたような白い皮膚
- 赤み
- かゆみ
- ひっかいた後の湿疹
かゆみが強くなると、掻く→悪化→さらにかゆいという悪循環に陥ります。
好発部位
皮脂欠乏性湿疹は、特に以下の部位に多くみられます。
- すね
- 太もも
- 腕
- 背中
- お腹
冬場に「すねがかゆい」という方は、皮脂欠乏性湿疹の可能性が高いです。
皮脂欠乏性湿疹とアトピーの違い
「アトピー性皮膚炎ではないか」と心配される方も多いですが、 皮脂欠乏性湿疹は乾燥が主な原因である点が特徴です。
- アトピー性皮膚炎:体質的要因が強い
- 皮脂欠乏性湿疹:環境・乾燥が主因
診察では、年齢・経過・皮疹の分布および性状をもとに判断します。
皮脂欠乏性湿疹の治療|皮膚科での対応
保湿治療が基本です
皮脂欠乏性湿疹の治療の基本は、適切な保湿です。
- 保湿剤で皮膚のバリアを回復
- かゆみ・炎症がある場合は外用薬を併用
症状に応じて、ステロイドなどの薬剤を使用します。
市販薬で治らない場合は皮膚科へ
市販の保湿剤やかゆみ止めで改善しない場合、 すでに湿疹として炎症が起きている可能性があります。
その場合は、皮膚科での治療が必要です。
日常生活で気をつけたいポイント
入浴・洗い方の注意
- ゴシゴシ洗わない
- ナイロンタオルは控える
- 石けん・ボディソープは使いすぎない
入浴は、皮膚を清潔に保つために大切な習慣です。
しかし一方で、「洗いすぎ」は皮膚にとって負担になることがあります。
せっけんやボディソープには、皮膚表面の汚れだけでなく、 本来守る役割を担っている皮脂まで洗い流してしまう作用があります。
皮脂は、単なる「油」ではありません。
皮膚の水分蒸発を防ぎ、外部刺激から守る天然のバリアです。
入浴のたびにせっけんで全身を洗い、 その皮脂を毎日リセットしてしまうと、 皮膚は乾燥しやすくなり、かゆみや湿疹を引き起こしやすくなります。
特に、
- すね
- 腕
- 背中
といった皮脂の少ない部位では、 せっけんの使いすぎが乾燥を助長する大きな要因になります。
「清潔にしているのに、なぜか乾燥する」 その背景には、落としすぎている皮膚の油分が関係していることも少なくありません。
皮膚に必要なのは、“洗い落とすこと”よりも、“守ること”。
洗い方を見直すことは、乾燥対策の第一歩です。
保湿は「毎日・継続」が大切
- 入浴後すぐに保湿
- 乾燥を感じる前に塗る
- 症状が落ち着いても継続
保湿の目的は、「一時的にしっとりさせること」ではありません。
皮膚のバリア機能を回復・維持することが本来の役割です。
保湿剤を継続的に使用することで、 皮膚は刺激に強くなり、かゆみや湿疹の再発予防にもつながります。
症状が落ち着いたあとも保湿を続けることが、皮膚トラブルを繰り返さないための大切なポイントです。
駒沢自由通り皮膚科では、症状や年齢、生活環境に合わせて、適切な保湿剤や使用方法をご提案しています。
「薬を塗るほどではないけれど、乾燥が気になる」その段階こそ、保湿が最も力を発揮するタイミングです。
毎日の保湿は、未来の皮膚を守るための、最も基本的で重要なケアなのです。

院長からの一言
皮脂欠乏性湿疹は、正しいスキンケアと治療で改善する病気です。
「年のせい」「冬だから仕方ない」と我慢せず、ぜひご相談ください。
皮膚の状態に合わせて、無理のない治療とケア方法をご提案いたします。
駒沢自由通り皮膚科
院長 白石 英馨(監修)
これを表紙に使ってください。
